4.第4文型:S+V+O1+O2(主語+動詞+第一目的語+第二目的語)
BABYMETALの曲に、’Give me chocolate’(通称、ギミチョコ)がある。YouTube再生1億回以上の海外でも超人気曲だ。これが、今時の第4文型の典型例文であろう。第3文型では、目的語を一つしか取らなかったが、第4では、これが二つになる。どういう意味か、と言う話をしておこう。
He gives me chocolate. これには「彼は、私にチョコをくれる」以外に意味はないのだが、S+V+Oの文が二個あって、それを一つに合体した、と思えば納得がいく。数学で言うところの、共通項で括るという作業だ。
He gives me. 「彼は私にくれた」→ 何を?という話になる。
He gives chocolate. 「彼はチョコをくれた」→ 誰に?という話になる。
この二文を共通項で括れば、He gives (me + chocolate). となるわけだ。
このとき気を付けなければいけないのが、語順である。第一(間接)目的語は「誰に」という情報がきて、あとに、第二(直接)目的語の「何を」が来るということである。逆に置くと、意味はそのまま逆になる。
逆に置くことができないことはない。その場合は、He gives chocolate to me. と表現する。「私に」をこのようにとってつける場合には、to を付加すること。こうすると、to me は修飾語となり、目的語が一つになるので、文型としては第3になるということに注意。
ここも、数式を例にとって説明しておくが、2xaという式は2aと表現できるが、ひっくり返すことは出来ない。ひっくり返すなら、ax2と表記しなければならない。こんな風に覚えておくといい。
どんな動詞が使われる? そんなに多くはないんだが
俺も、今回初めて知ったのだが、この文型を取ることの出来る動詞は11個しかない。探せばもっとあるとは思うが、これだけカバーしておけば十分だ。おなじみの動詞ばかりである。俺は、こいつらを「二股動詞」と名付けることにする。全部、紹介しておこう。
1.give (略)
2.tell I told her my story.「俺の話を彼女に聞かせた」
I told her to visit her friend. 「彼女に友達のところへ行くように言った」
(第二目的語に行為を表わす不定詞がくるパターン)
3.show He showed me his work. 「俺に彼の作品を見せた」
I showed my doctor where my neck hurt. 「医者に痛いところをみせた」
(where my neck hurt は、目的節)
4.lend Please lend me your camera. 「カメラを貸してちょうだい」
5.send Please send me a copy. 『コピーを俺に送ってちょうだい」
6.teach Please teach me English.「英語を教えてちょうだい」
7.buy Please buy me colorate. 「チョコ買ってちょうだい」
8.get Please get me beer. 「ビールをちょうだい」居酒屋での第一声。
9.make Please make me a cocktail. 「カクテルを作ってちょうだい」
10.cook Please cook us dinner. 「晩飯作ってちょうだい」
11.find Please find me a place to live. 「住む場所見つけてちょうだい」
二股動詞がどういう動詞の集まりかと眺めてみると、基本的には、人間の行為・動作に関係するものであると思われる。常に人が主語に来るかというと、そうでもないので、注意は必要だ。
それから、get と make は第5文型でも使うので、混同しないように、よく見極めることも大事だ。
受動態(受け身)ってなんだ
この話も、しておかなければならない。一言で言えば、SとOが主客転倒するということになる。どうやってやるのか。前提として、Oが存在する文型、第3と第4だけが出来る離れ業ということだ。
1.単に位置を入れ替えるだけではダメ。
2.ひっくり返すために、Be動詞+動詞の過去分詞という形を作る。
3.本来の主語の扱いに注意する。
まず、入れ替えるだけではダメの事例を見てみよう。
He kicks a ball. 「彼はボールを蹴る」という文でみてみよう。これをただひっくり返すと、A ball kicks he. となる。意味は、「ボールは彼を蹴る」となる。そんなわけねぇだろとツッコむまでもない。ひっくり返っても、元の意味は変わらないというのが、前提である。
そこで、be動詞+動詞の過去分詞という形を作るのである。
A ball is kicked by him. これが正解。これによって、それまで目的語だったヤツが、主語、主役に躍り出るのである。
何故、そんなことをするのか。それは、主語であるボールのことを強調する為である。
パニクって「焼き魚が猫に喰われた!」みたいな時、猫に話の重点があるのではなく、喰われてなくなった焼き魚が問題になる状況を考えれば納得だろう。「猫が魚を食べた」では、伝わらない。
そして最後に、元主語の扱いである。上のA ball is kicked by him. の by hi m の部分だ。「彼によって」と訳される。動詞との相性によって、この by は、in, for 等に置き換わることもあるので、注意。
この文の場合、A ball is kicked. 即ち S+V+Cという、例えば、He is happy. と同じ第2文型に変身したということになる。
「ボールは蹴られる」という文に、by him という「飾り」が付いたと理解しても良い。逆を言えば、誰が蹴るかは問題ではないときは、by him は省略してもいい。
受動態の文例
幾つか、形容詞なのかと見まがうケースがあるが、以下は受動態(be動詞+動詞の過去分詞)である。
I am tired. (疲れさせられる)
I was born in Texas. (生まれさせられた)
He is excited. (興奮させられる)
I am interedted in history. (興味を持たされる)
He is supposed to ~. (~すると思われる)
形容詞と見分けが付きにくくなるが、-edとなっていれば、まず過去分詞と思って良い。born はbear 「出産する」という動詞の過去分詞だ。
第5文型につづく。
ヘドバンギャー! 寝違えたときに、超助かる。
ギブミー、チョコレート! |