蒙古襲来!
ゴーストオブツシマという蒙古襲来を扱ったゲームがある。というかこれから発売される。日本製ではなく、アメリカ製。プレステのゲームだ。元軍の先遣隊が対馬に上陸し、悪逆非道の限りを尽くして島を蹂躙したあと、生き残った(或いは亡霊となった?)サムライ「仁」というヤツが、元の兵士を倒していくというゲームだという。
まぁ、殺戮系スプラッターゲームで、俺的には興味はない。というかコントローラーをコントロールできないだろう。それでも、トレーラーを見る限りではクオリティはすごく高そう。それにしてもニッチなところに目を付けたなぁ。ワラ。
プレイはいいから、物語としては観たい。
まぁ、ゲームは遠慮しておくが、蒙古襲来(元寇といういい方は江戸期?以降らしい)というものがどうだったのか気になったので、少し調べてみた。
火薬球やらなんやらの新兵器の前に鎌倉武士は為す術もなかったが、あたふたしているうちに大風が吹いて、勝手に元軍が滅んだというのが一般人のイメージである。あの有名な絵のインパクトが強すぎ。ワラ。で、学校でも大体そんな風に教えている。
そんな結果オーライの蒙古襲来という国家存亡一大事のイベントには何故かあまりスポットが当たることがない。が、これを機に、注目されるかも、という期待も覚える。
それでも「神風」のストーリーだけで十分というのが一般の風潮かも知れない。だが詳細を見てみると、これが結構面白いのだ。
フビライは何度も、鎌倉に「おまえら、俺に従え。従わなくば、覚えとけよ」という脅迫を6、7回はやっているという。その都度無視か、使節をぶった切っている。その辺はたいしたモンだな。と、感心する次第である。
戦役としては、文永と弘安の2度あった。この二つの元号、覚えるのが無茶難しい。未だに無理だ。
で、ともかく最初の文永のとき、対馬、壱岐を経由してやってきた元軍は博多湾に上陸したのだが、九州で集められた武士団との激戦の末、副将の「なんとかさん」が矢傷で負傷したことで後退を余儀なくされたのだとかいう体たらく。
これ、教科書では大概右半分だけだからわからなかったが、左側の元軍の兵隊さん、結構弓が背中に刺さっているだろ。(画像はウィキから借りてきた)
すると何を血迷ったのかその日のうちに完全撤退を決意する。結果、初冬の対馬海峡を夜、夜中に突っ切ろうとして、軍船が大量に難破したらしい。大風のせいではない模様。
九州武士が奮戦した結果、「日本軍、想像以上につえーよ」という報告がフビライに上がったという話だ。昔から日本人は戦闘民族だったのかなぁと思いをはせると、なんだか頼もしくもある。
ところで、これより前に、対馬で前哨戦があって、守護代率いる騎馬武者80騎が元軍と戦い奮戦したが、敗れ去った。それでも何騎かが生き残り、太宰府に元軍襲来の知らせを届けたことで、九州本土では戦に備えることが出来たという。その結果の、元軍撃退なのだ。
で、二回目の弘安の時は、南宋が元の支配下に入っていて、上海方面からの南宋軍を加えた総勢10万だか15万の大群が押し寄せる。が、幕府も今次は用意万端で、博多湾に25キロにも渡る防塁を築いて待ち構えていた。北条時宗が、偉い!と言われるのはこのあたりだろう。
文永の時は、九州の武士が結集して戦ったが、弘安の時は、鎌倉が出張った。この史実は重要。
このときも対馬を経由した際に、元軍は住民に対して悪逆非道の限りを尽くしたと言うが、上述のゲームはこのときのゲリラ戦が元ネタと思われる。
で、元軍は、そのあと博多湾に侵入したが、防塁を見て、「これ無理」とも思ったらしく、しかも海上での奇襲に遭ったり、他方面に上陸しても押し返されたりしていて、仕方なく松浦半島方面に撤退した。
すると、その夜、俄に海が荒れてきて、これはヤバイと思った元軍は、船同士を縄で括り付けて沈まないように措置したらしい。これが裏目中の裏目だった。
大風が吹き始めると、船が波濤に揺さぶられぶつかり合う羽目となった。結果多くの船は激しく損傷してしまい、浸水を始めると、終いには悉く沈没したという。これが後の世に言うところの「神風」であった。
この惨状を目の当たりにした元軍の総大将は、慌てふためくと少数の幹部だけを引き連れて、なんと、遁走した。
結果、兵の大半、10万人以上が取り残されたという。なんと言う、ヘボなのか。そんなんで勝てるかーい。で、言うまでも無く、残された将兵は武士に皆殺しにされた。そういうところは容赦ない。
それにしても、船を縄で括ってつなげるという失敗は赤壁の戦いを思い起こされるが、学習してないな。何やってんだか。
ところで、このときに参戦した南宋軍がどんな陣容だったかは良くわからんが、日本と南宋は貿易もやっていたし、人的交流もあった。そもそもが友好国同士だった。
だから、南宋軍は基本、厭戦気分があったと思う。到着も遅れたはずだ。結果、戦ったのは、元軍とそいつらに尻を叩かれた高麗軍だった。まぁ、実際はモンゴルだけ相手にしていれば良かったのかも知れないし。
で、学校でおそわることは、勝ったにもかかわらず褒美をもらえなかった御家人たちの不満がマックス到達、借金チャラにしても効果なく、鎌倉幕府はじきに滅びましたとさ、めでたしめでたしとなるわけだ。
冗談はさておき、こうやって少し調べてみると、蒙古襲来、結構面白いことがわかった。ちゃんと映画にすれば、見応え満載と思う。
が、金のない日本では無理なので、ハリウッドにお願いかな。チャイナマネーに汚染されているので、多分、(中国人はモンゴルも嫌いなのだが)元軍の鎌倉侵攻という仰天ストーリーの展開は免れないだろう。。。ワラ。
蒙古襲来 もっと詳しく知りたい
ジンギスカンにこの鍋は必須。 |